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イギリス遠征記(河原林)

イギリス遠征記(河原林)

私はイギリスで剣道の本質を見直しました。

イギリスに行く前、私にとって剣道は勝つためのスポーツというような感覚で、試合でいかに一本が取れるか、大学生の剣道とはなにか、相手を攻めること、ばかり考えて剣道をしていました。しかし、イギリスに行き、オックスフォード、マンチェスター、ヨーク、ヨーロッパ各国の剣道家と剣を交え、練習に参加させていただくことによって改めて剣道というものを学びました。現地の方々は勝つために剣道を学んでいるのではなく、日本文化としての剣道を学んでおられます。サムライへの憧れがある人もいますし、日本のマンガが好きで剣道を始められた方もおられました。しかし、日本の大学生でサムライへの憧れで剣道をしている人は少なく、ほとんどの学生が試合で勝つ、段位をとるために剣道をしている思います。正直なところ、日本人の学生よりも、礼節を重んじた所作を意識されているように思いました。

時々、高段者の方々が学生に礼法の指導をすることがあります。私はあまり気にかけていないことが多かったです。しかし、一つ一つの所作、動きが日本の先人たちが作り上げてきた文化で、それを外国の方々が評価していることを知って、日本の剣道文化の尊さを学びました。「剣道は礼に始まり礼に終わる」というのは言葉は簡単ですが、大変重みのある言葉で私はこれまで実践できていませんでした。イギリスではこのような剣道をする上で根本的なことで、一番難しい課題を見つけました。

このような機会を与えていただきありがとうございました。

河原林友晴

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