【報告】2017年春学期早稲田大学国内留学体験記 加藤秀佳
早稲田大学への国内留学制度を利用し、3/26〜9/21の約半年間、早稲田大学で過ごしてきました。今回はその活動をまとめて報告させて頂きます。
目次は以下のようになっております。
1,本プログラムについて
2,参加理由
3,一週間のスケジュール
4,剣道面について
5,勉強面について
6,その他活動
7,感じたこと(同志社との違い困ったこと)
8,成果
9,後輩達へ
10,感謝
1,本プログラムについて
本プログラムは、早稲田大学と同志社大学、それぞれの学生が1年間または半年間派遣・受入れし、修得した単位も相互に認定するという制度です。同志社大学の学生が我が国の政治・経済・文化の中心である東京で、また早稲田学生が日本の文化や歴史を誇る京都で、異なる地域・風土で学び、視野を広げ、個性を磨くことを目的としています。もともと、新島襄先生と大隈重信先生が互いに創立者として理解しあっていたという事から、この制度は相通ずる建学理念をもっており、創立以来深い交流を結んでいたということが発足の理由に挙げられるようです。 詳細は以下のURLを参照してください。
https://www.doshisha.ac.jp/students/curriculum/credit_transfer.html
2,参加理由
参加理由につきましては、書類審査に向けて提出した志願書から一部抜粋という形で記載させて頂きます。(以下一部抜粋)
私は大きく以下の三つの理由で早稲田大学学部交流学生制度を志願致します。
一つ目は、文化情報学部に無い科目を履修する為。
二つ目は、早稲田大学剣道部と剣道を通じた交流を行う為。
三つ目は、一人暮らしを経験する為。
一つ目について、私が統計科学研究室に配属希望していることが大きく関わります。研究室では主に株、マーケティング、スポーツデータの3部門に分かれ卒業論文を作成することになります。その際ビックデータを使用し、データサイエンスという手法が必要になります。文化情報学部では統計学に関する講義は他学部に比べ充実しているものの、開講科目数は少なく、独習する必要があります。早稲田大学理工学部には多変量解析、時系列解析、確率統計概論、数理統計学A、経済の数理など、文化情報学部より統計学に関する講義の数が充実しており、これらを履修することでさらなる勉学への意欲が湧くことが期待できます。
二つ目は、同志社剣道部と早稲田剣道部の交流を深めたいと思った為です。同志社剣道部は毎年、台湾の淡江大学との定期戦、京都大学・同志社大学・立命館大学での定期戦である京同立戦、立教大学との定期戦などを企画運営しております。私は早稲田大学国内留学に興味があることを監督に相談したところ、「早稲田とも定期戦ができると良い」というお言葉をいただき、私が早稲田に行くことでそのきっかけとなればよいと思いました。実際に、早稲田の学生とともに練習し、お互いを知ることができればこのような企画を決行しやすくなるのでは無いかと考えます。
三つ目は、一人暮らしを経験する為です。私は一人暮らしを人生で一度もしたことがありません。小学校・中学校・高等学校・大学と実家通いである為、両親に頼って生活することが多く、社会人になったときに生活を送ることができるか不安であり、本プログラムで知ることができると考えました。
以上勉学、部活、生活の三つの方面、三つの理由から私は本制度を志願致します。
3,一週間のスケジュール
留学期間中どのような生活を送っていたか記載します。簡単ではありますが、1週間のタイムテーブルを作りました(写真1)。水色が通学、灰色が講義、茶色が稽古、黄色が昼食、緑色が夕食です。
写真1
横浜に下宿していた為、通学に2時間かかっています。椅子に座れない満員電車は本当に地獄でした。週4回1限目の授業に出席するという、3年生らしからぬ生活を送り、空き時間は授業の予習や復習に当てておりました。アルバイトはしませんでした。日曜日は、試合の応援や私生活の充実に当てました。早稲田剣道部は週8回稽古があるのですが、私は授業の為1回少なくして頂きました。夏季休暇のスケジュールは、午前中は10:00-12:00まで稽古があり、シャワーや着替えなどを入れると、13:00ごろまで剣道場で過ごし、午後から全て自由時間でした。また、毎週日曜日がOFFになっている為、友人と遊びに行く際予定が立てやすかったです。
4,剣道面について
私の留学生活は、「剣道留学」と言っても良いかもしれません。と言いますのも、稽古だけではなく、稽古後の食事、飲み会、遊びなどほとんどの時間を剣道部と共にしたからです。「4,剣道面について」では、剣道部と過ごした日々を写真とともに綴らせて頂きます。
写真2は、関東理工大会のものです。所属が基幹理工学部という理由で、早稲田大学の選手として理工大会への出場の機会を頂けました。大変有難いことでした。団体戦は、ベスト8と惜しくも入賞を逃してしまいましたが、全試合で勝利し、チームに貢献できたと思います。同期の横幕が3位入賞を決めました。
写真 2
写真3は、慶應大学との合同稽古後、親睦会の様子です。早慶のつながりの深さを感じました。
写真 3
写真4は、合宿で撮影したものです。3部練を1週間乗り越え、夜の伝統行事は衝撃的でした。
写真 4
写真5は、合宿後の稽古で垂れネームを頂きました。早稲田の一年生もこの段階で垂れネームを貰い、剣道部の一員として認めてもらえるそうです。
写真 5
写真6は最後の稽古で撮影したものです。同期全員から、「早稲田大学」と刺繍が入った袴まで頂きました!最後の1週間は送別会を色々なところで何度も開いて頂きました。
写真 6
思い出したら、キリがないほどたくさんの経験をさせて頂き、私の人生で最も濃い時間でした。このような、充実した留学生活を送れたのも、ご理解下さった早稲田大学剣道部他皆様あってのもので、感謝の気持ちでいっぱいです。半年間本当にありがとうございました。
早稲田大学剣道部ホームページはこちら
5,勉強面について
勉強面については、主に創造理工学部経営システム工学科の開講科目を中心に受講しました。私の留学所属先は基幹理工学部応用数理学科だったのですが、他学部の講義も他学部聴講という形で受講が出来た為、興味のある内容の講義をたくさん受講し、合計23単位を取得しました。早稲田に行った理由として、好きな授業を学部関係なく受講できる特典は非常に大きかったです。内訳は表1にまとめました。難易度は、授業ごとにバラバラできちんとと勉強さえすれば、ついていけないことはないと思います。しかし、部活動との両立を考えた場合、しっかりと計画を立てる必要がありそうです。担当教員であられる教授方にも大変良くして頂けました。
表 1
6,その他活動
・慶應義塾大学SFCが主催するデータコンテストに参加し、本戦まで進み表彰頂きました。 http://dmc-lab.sfc.keio.ac.jp/dig6/
・WAP(waseda athlete program)が企画する帆走ボランティアに参加しました。
・大和総研株式会社様のインターンシップに参加しました。
7,感じたこと
同志社大学との違いを箇条書きで簡単にまとめました。()内は同志社
•図書館がキャンパス毎に12箇所ある (2箇所)
•22:30まで大学が開講している
•オンデマンド授業が充実している
•キャンパス内だとwi-fiが繋がる
•文理キャンパス間徒歩15分 (田辺までバス60分)
•コピー機,印刷機が無料(有料)
困った事
•食事:一人暮らしだとどうしても外食が多くなってしまいます
•満員電車:乗車率199%の区間もあるとか…
•病気
•履修登録:始めては何もわからないので、先輩に教えてもらわないとできないかもしれないです。ただ、好きな科目だけ取るなら単位関係無く受講すれば良いと思います。
8,成果
•現役早稲田剣道部の方以外にも、週2回の早稲田OB稽古会を通じて、OBの先輩方との食事にご同席させていただきました。縦横の広いつながりを感じました。
•慶應義塾大学主催のデータビジネス創造コンテストで入賞する事ができました。
•人生初めての一人暮らしを行い、色々な苦労を経験することができました。
•同志社には無い科目23単位取得できました。
•剣道技能が向上しました。
•稽古に無遅刻無欠席を達成しました。
•慶應義塾大学剣道部と合同稽古会の後の食事会で交流する事ができました。
•インターンシップ先で行われたコンペで私たちのチームが優勝する事ができました。
•人生初のボランティア活動を経験することができました。
9,後輩達へ
文化情報学部から、理工学部へ国内留学を行ない、さらに体育会剣道部に所属する生徒は私が初めてのケースでした。正直、留学前は勉学、剣道の両面で不安な事ばかりでした。勉強についていけるのか?単位が取れるのか?剣道部の稽古についていけるのか?などです。しかし、実際、授業内容は面白く、またわかりやすくて楽しいものばかりで、授業で困るといった事はほとんどありませんでした。また、剣道部のみんなもすごい留学生の私をとても歓迎してくださいました。稽古は辛かったですが、明らかに成長していることが実感できるものです。毎日、八段の師範と監督、剣道界の一流選手が集まる環境で、一緒に地稽古できることは本当に幸せに思いました。
本プログラムは、半年間または一年間のどちらかが選べ、東京で生活を送る事になります。剣道以外にも、自主的にかつ積極的に活動しやすい環境であり、私の参加したコンペやインターンなど様々な方との出会いを得ることができます。もし、本プログラムに興味を持った後輩がいれば、ぜひ連絡をくれると助力できると思います。
10,感謝
最後に、快く受け入れて下さった早稲田剣道部の栗原師範、池田監督、小西監督、剣道部の皆様・OBの皆様。本プログラムの参加許可を頂けた小川監督。本プログラム参加への後押し・支援をしてくれた両親に本当に感謝したいと思います。