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イギリス遠征記(水久保)

イギリス遠征記(水久保)

【今回のプログラムについて】
本剣道部の小川監督とカンタベリーにあるケント大学剣道部のゼノン裕監督の間で提案された、新しい交流プログラムであり、剣道を通じた交流を目的とするものです。
一昨年、昨年に引き続き、今年も4月25日〜5月9日の15日間、水久保太一、山下隼矢、河原林友晴、水野真那、佐々木彩香、山崎航平、田中康之介、大久保建、宝田裕花の学生9名でイギリスにて剣道を通じた交流を行いました。

【剣道交流について】
今回は、ロンドンのヒースロー空港に到着し、2日後にオックスフォードに移動、さらに2日後にマンチェスター、2日後にヨーク、そのまた2日後にロンドンへ移動という目まぐるしい2週間を過ごしました。全ての場所にて剣道を通じての交流をさせていただき、吸収するものも多かったです。

オックスフォードでは、オックスフォード市民道場の稽古に参加させていただきました。昨年と同じく、小学生のレベルの高さや、しっかりした稽古メニューに改めて驚かされました。ほかの学生も、これからの世界の剣道を考える上で日本以外の国々も日々進化していることを実感してくれたと思います。
また、前回の遠征で知り合ったオックスフォード大学の方々とも交流させていただき、観光などをしながら、ほかの学生にも世界トップレベルと言われる大学で生活する友人たちと英語でコミュニケーションをするという経験をしてもらいました。昨年私が感じた考え方の違いや、世界を見据えた言動など、少しでも学生が感じ取ってくれていれば、嬉しく思います。

マンチェスターでは、マンチェスターの市民道場で稽古させていただきました。ここでは、2人、3人、4人のグループに分かれ、2人、3人のグループは現地の友人の家にホームステイ、4人はその現地の方がとってくれた宿に泊まるという形でした。まず私以外初対面の学生たち9名のためにここまでの準備をしてくれている心の広さ、親切さに改めて感謝しました。
稽古では、イギリス代表の方から剣道を始めて数ヶ月の方までいる環境でそれぞれがいろんな思いで竹刀を振っている姿がありました。週に2回や3回のペースでの稽古であるからこそ、1回1回の稽古を疎かにせず、全力で取り組む姿勢を目の当たりにし、私を含め学生全員が背すじを正していただきました。

ヨークでは、ヨーク大学との剣道交流を行いました。現地の大学剣道部と剣を交えることで、学生たちも日本との様々な違いを感じたと思います。個人的には、昨年私が訪問させていただいた時と比べ、卒業された方々や新しく入部された方々などメンバーがかなり変わっており、イギリスという地で剣道という武道が、日々変化しながら静かに熱を持ち続けていることを実感しました。
また、ヨークでは様々なところに現地の学生と食事をしに行ったり、ショッピングをしたりし、皆近い年齢の方々と良い関係性を気づけたのではないかと思います。

最後にロンドンに移動し、ロンドンカップという大会にDoshisha Universityとして2チーム出場しました。Aチームが優勝、Bチームが第3位という結果に終わりました。ヨーロッパ中の剣士が集まるこの大会では、フランス代表の方、イタリア代表の方、ヨーロッパ大会優勝経験のある方など、グローバルな環境で剣道をされている方々とコミュニケーションをとることができ、剣道についてやその他のことなど多くを語り合いました。
大会の後はパブで様々な剣士たちと話し、異なった視点、異なった価値観を吸収できました。

【英国遠征を通して】
日本にいるだけではぶつからない明確な価値観、考え方の違いを目の当たりにすること、主体的に動かなければなにも始まらないこと、その分動けばそれ以上のエネルギーで私たちを手助けしてくださる人がいること、例え言語がわからなくとも誠実な伝えたいという気持ちが原動力となること、剣道が世界で受け入れられているということ、剣道を通し沢山の人とつながることができること、様々な思いで剣道と向き合う人々がいること、この遠征を通して経験し、感じ、考えられたことは挙げればきりがありません。
日本ではいつもの日常が流れていきますが、その場面場面で、自分の置かれている状況が決して当たり前ではないことを自覚し、今後この経験を活かしながら人間形成の道を進みたいと思います。
来年の3月には、部員全員での海外遠征も控えております。そこでは、世界から見た日本の剣道や、日本人以外とのコミュニケーション、考え方文化の違いというものを、私を含め部員全員が少しでも多く感じ取り、吸収できる遠征にすることが私の個人的な目標です。

また、昨年の2月から3月の1ヶ月間、私は当時1回生ながら新垣先輩とともに初めてイギリスという国で剣道交流を行い、それを踏まえた上での今回の遠征でした。昨年は、当時4回生の新垣先輩のもとで本当にいろんなことを学び、今の自分の糧となる経験をさせていただきました。しかし今回、リーダーとして学生9名での遠征を行い、思っていた以上の壁や思い通りにいかないもどかしさなどを感じ、昨年の新垣先輩に頼りきりであった自分の不甲斐なさを痛感しました。だからこそ、どのようなハプニングにも、真摯に向き合い、解決に向け動けたのではないかと思います。
そして、現地の方々の手助けがなければ、今回の遠征が無事に終わることはありませんでした。それぞれの地で、私たちのようなランゲージバリアのある若干20歳の学生9名を快く受け入れ、親切に対応してくださった方々の存在は大きく、感謝してもしきれません。

最後になりますが、9名での海外遠征を許してくださった監督をはじめとする指導陣の方々、飛行機の手配についてなど数々お手数をおかけしました新村様、色々な不安を感じながらも一任していただいた学生のご家族の皆様、二度目のイギリス遠征を後押ししてくれた両親、9名が二週間稽古に参加しなくなることで迷惑をかけてしまった部員一同、そして私の拙い遠征計画に参加し共に様々な経験を共有してくれた学生9名、その他この遠征に関わっていただいた全ての方に心からの感謝と御礼を申し上げあげます。

この遠征が今後後輩によって続くこととなり、同志社大学剣道部の更なるグローバル化に貢献できることを願っております。

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